【トークイベント】株式会社ミヤモリ代表取締役宮森専務より聞いたネルコッチャへの想い

こんにちは。株式会社ANスタッフの小泉です。

8月30日に富山県に本社を置く株式会社ミヤモリの代表取締役専務である宮森穂さんとのトークイベントを開催しました。

今回は宮森専務が手がけるブランドの「Nercoccia(ネルコッチャ)」について、ブランド誕生までの背景や、現在取り組まれていること、今後のビジョンについて詳しく伺い、SDGsに貢献していくことへの重要性についてお伺いしました。
対談は終始とても和やかな雰囲気で進み、私たちスタッフも改めてSDGsの理解を
深める機会となりました。
そこで本日はこちらのトークイベントについて詳しくご紹介していきます。

◇株式会社ミヤモリについて
株式会社ミヤモリは1966年に創業以来、陸上競技・テニス・スキー・水泳などの
スポーツウェアなどを生産する縫製業をメインに「Made in Japan」の精神の元
半世紀以上続く企業です。
ではなぜこれまで縫製業を生業としてきた株式会社ミヤモリが新たな分野である
化粧品事業に取り組もうと考えたのか。
それは、地元である富山県をもっと盛り上げたいという宮森専務の想いから
誕生しました。

◇想いを紡ぐネルコッチャの誕生
ネルコッチャが生まれた富山県小矢部市は繊維の町と呼ばれ、
繊維産業が盛んに行われていました。
この繊維産業をより盛り上げていこうという想いから、
地元の企業が集まり今から5年ほど前にそれぞれがブランドを立ち上げることと
なったそうです。
そこで株式会社ミヤモリは新たなブランドの立ち上げの際、繊維とは他に
日本一の生産量を誇っているハトムギに着目し、ネルコッチャが誕生しました。

このネルコッチャとは富山県の方言で「お休みなさってください」という意味で、
ネルコッチャが皆様の暮らしの中で、愛される存在となれますようにという願いが
込められているそうです。

ハトムギは古くから日本で親しまれており、穀物の中でもタンパク質である
アミノ酸が最も効率よく含まれている事で有名です。
そのため美容や健康に良いとされ、化粧品やスーパーフードとして
利用されることが多いです。
今回のイベントでは実際にハトムギの実物を宮森専務に見せていただきました。

このハトムギを食用として利用する際にでてくるぬかから抽出した油を衣類や化粧品に配合しています。
このぬかはこれまで家畜の飼料として利用するか、廃棄していたそうです。

そこで他になにか利用方法があるのではと考えた宮森専務は、地元のJAがハトムギ
ぬかより油を抽出する技術を確立した事を聞きつけ、元々廃棄する予定だったぬかを
再利用し化粧品へと生まれ変わらせました。
これはSDGsへの貢献として、本来捨てるものであったハトムギを再利用し、資源として活用する「アップサイクル」の取り組みといえます。

ぬかから油を抽出する方法は化学的な製法が一般的となります。
ですがネルコッチャでは、社内に搾油する設備を設け、直に搾ったハトムギぬか油の
精製に挑戦していると宮森専務よりお伺いしました。

この直搾油製法で抽出される油はとても希少で、通常の製法と比べ抽出量は
かなり少ないそうです。

ではなぜこの直搾油製法に挑戦しているのか。
それは、自然で身体に良いものを皆様に届けたいという宮森専務の想いから
きています。
直搾油製法で抽出されるハトムギぬか油は濃度が高く、より自然で身体に優しいもの
となり、そのぬか油を使ってより品質の高い製品づくりに活かしています。

◇株式会社ミヤモリが取り入れる「アップサイクル」と商品への想い
株式会社ミヤモリでは、紹介したネルコッチャに加え、主事業である縫製事業に
於いても地球環境へ貢献する「アップサイクル」の考え方を大切にされています。
以前にもこのブログで「アップサイクル」についてご紹介しているので詳しく
知りたい方はこちらをご覧ください。
https://an-staff.hatenablog.com/entry/2022/01/24/121817

簡単に言うと、「アップサイクル」とは本来は捨てられるはずの製品に
新たな価値を与えて再生することです。

宮森専務は限りのある資源をどうすれば最大限活用できるのか、常に考え商品の開発に取り組まれています。

その取り組みの一つに服の裁断の際にでる裁断片を利用したアップサイクル事業です。株式会社ミヤモリでは年間22トン強の裁断片が出ているそうです。
それを利用し、裁断片をつなぎ開発した商品が写真のかわいいクマのぬいぐるみです。

他にも裁断片から炭を精製したとの事。
もし株式会社ミヤモリから出ている裁断片すべてを固化した場合
約664本分の木が年間に吸収するCO2量の削減につながるそうです。

お話をお聞きする中で、自由で柔軟な発想をもちながら商品開発に取り組まれており、何より話されている宮森専務の人柄や一つ一つの出会いを大切にされている考え方などがすごく印象的でした。

◇株式会社ミヤモリ 今後のビジョンと展望
最後に株式会社ミヤモリの今後のビジョンを伺い、大切にされている
”3つのサスティナビリティ”について宮森専務からお話しをいただきました。

1.事業におけるサスティナビリティ
提供する製品、サービスで社会に持続的に貢献できるように事業基盤の構築を進める。

2.環境におけるサスティナビリティ 
ウエアーのロングライフを目指し、リペア、リメイク、アップサイクル事業を
推奨する。
工場における廃棄物のリサイクル100%、太陽光パネル設置、工場内証明のLED 化、
学校体操服の回収。

3.子供たちの成長におけるサスティナビリティ 
我々の未来である子供たちの持続的な成長のサポートを実施。
より良い体操服を着てもらうことや、服の鉛筆などを通じてSDGsの勉強を
共に行なっていく。

宮森専務はこの3つのサスティナビリティに加え、ネルコッチャブランドの売上を
伸ばしていく事で社員の幸せとお客様の幸せに貢献したいとお話しされていました。
次世代へ繋げていくために地球環境に貢献し、成長を続け地元である富山県
地域活性に尽力されている宮森専務。
想いを体現され、挑戦し続けることで貢献する姿に想いを実現する人の在り方を
学ばせて頂く時間となりました。

当社は企業理念として、
「地球×人」「事業×人」「人×人」を掲げております。
今回お話しを伺う中で、株式会社ミヤモリ様がネルコッチャブランドを通じて大切に
している価値観や考え方と当社の企業理念は重なる部分が多くあったと感じます。

当社においても、人とのつながりと事業を通して地球環境や人の成長に貢献することを大切にしており、改めて私たちスタッフ一同も日々の仕事においてこのマインドを
意識しながら取り組もうと思いました。

こういった貴重な機会とお時間を頂きお話をお伺いできた事に
大変熱く御礼申し上げます。

今後も株式会社ANはトークイベントを通じて皆様により豊かな生活につながる情報を発信していきます。

ではまた次のブログで。

公式ブログ:https://an-k.co.jp/home/