昆虫が未来を救う。サスティナブルな「昆虫食」の可能性

こんにちは。株式会社ANスタッフの小泉です。

今世界は人口爆発による食糧不足が問題視されています。

人口爆発とは、人口が急激に増えることを意味します。これまで世界の人口は緩やかに増え続けていましたが18世紀の産業革命を皮切りに、急激に増加し、現在世界の人口は78億人を超えています。

国際連合食糧農業機関(FAO)はじめ、国際農業開発基金(IFAD)・国連児童基金UNICEF)・国連世界食糧計画(WFP)・世界保健機関(WHO)が2018年に発表した「世界の食料安全保障と栄養の現状」によると、世界では8億2,100万人が充分な食料を得られず、栄養不良状態にあるということが明らかになりました。

このまま人口が増加し続けると2050年の世界人口は100億人を突破すると予想されており、食糧問題は直近で解消すべき問題として対策を求められています。

引用:https://eleminist.com/article/1104

その食料問題を解決する手段の一つとして「昆虫食」が注目を集めています。

この「昆虫食」。なんと食糧危機の救世主とも呼ばれているとか。

そこで今回はこの食糧危機を救う「昆虫食」について紹介していきます。

◇食糧危機の救世主「昆虫食」とは

昆虫食とは、昆虫を食べることを指し、食材としては幼虫やさなぎが比較的多く使用されますが、成虫や卵を食べる事もあります。

現在は、環境負荷が少ない食材(サステナブルフード)としてヨーロッパを中心に市場が拡大しており、炒めものや佃煮、パウダー状にしたものなど、さまざまなものに調理されて食べられているようです。

実は日本でも、江戸時代から庶民食として昆虫を食べており、有名な昆虫食としてイナゴの佃煮や甘露煮などが挙げられます。

ではなぜ救世主と呼ばれるほど「昆虫食」は食糧危機を救う食材として注目を集めているのでしょうか?

それは昆虫は、飼育における環境の負荷が極めて少ないからです。

2013年に、FAO(国際連合食糧農業機関)は気候変動への解決策の一つとして昆虫食を提案する報告書を発表しました。

冒頭でもお伝えした通り、2050年には100億人を突破すると予想されており、その分の食料をまかなう必要があります。

家畜の場合、飼育するために飼料など大量の資源を必要とします。その結果環境への負荷が大きくなり、環境問題の悪化が懸念されています。

そこで人間の成長に必須なたんぱく質を多く含み、かつ家畜ほど多くの資源を必要としない「昆虫食」が注目を集めました。

次に「昆虫食」のメリットについてお伝えします。

◇昆虫食のメリット

〇環境への負荷が少ない

先ほどお伝えした環境への負荷が少ない要因として下記が挙げられます。

温室効果ガス排出量

 ブタの飼育は、昆虫の飼育より10倍以上の温室効果ガスを排出する

・飼料の量

 昆虫1kgの生産に必要な飼料は2kgに対し、牛肉1kgの生産は8kgという4倍以上の飼料が必要

・水の使用量

 昆虫で1kgのタンパク質を生産するには4Lの水が必要、牛の場合は22,000L必要

〇栄養価が高い

 実は昆虫食は肉や魚より良質なたんぱく質を摂取できます。

 さらに食物繊維や亜鉛、リンなどの栄養価も高く栄養補助食品としても期待されています。

〇生産・加工がしやすい

採集や養殖飼育が家畜に比べ簡単にでき、小さな土地と少ない費用で生産・加工が可能です。また最近ではそのままではなくパウダーやペースト状に加工し販売することも増えています。

ただメリットだけあるわけではなく、デメリットもあります。

・昆虫をそのまま食べることに抵抗がある方が多い

・まだまだ一般的でないため手に入りづらい(より手軽に利用できるように環境を整える必要がある)

ただ最近では「昆虫食」が世界でブームといわれておりお店で取り扱う事も多くなってきました。

例えば生活雑貨や食品など幅広く取り扱っている無印良品では昆虫食のお菓子を購入することができます。

無印良品は「コオロギが地球を救う」というキャッチコピーを掲げ、徳島大学と連携して、コオロギパウダー入りのチョコとせんべいを開発しました。

こちらはコオロギパウダーを入れた高タンパク質のチョコレートバーとなっており、手軽に「昆虫食」を購入することができます。

引用:https://www.itmedia.co.jp/fav/articles/2112/13/news156.html

◇昆虫が地球を救う

「昆虫を食べる」と聞くと、「苦手」「美味しくなさそう」などマイナスイメージが先行してしまうのではないでしょうか。

しかし、昆虫食には「高タンパクで栄養価が高い」「環境にやさしい」「食糧危機を救う」というメリットがあることが分かり、昆虫食の商品開発や需要拡大は、明るい未来につながっています。

これから人口が増えても、すべての人が健康的な食事ができるように、昆虫食をブームではなく文化にしていく必要があると言えます。

実際に、日本でも、昆虫食を手軽に食べられるオンラインショップやレストランが増えています。

まだ食べたことがない方も、固定概念を一度捨てて、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

では。また次のブログで。

当社HP: https://an-k.co.jp/home/

参照:①https://eleminist.com/article/1104

https://agri.mynavi.jp/2020_09_29_134081/

http://mushi-world.jp/3-5-1.html